和菓子好きの方なら、「京菓子司 亀広良」の名前を聞けば、どの和菓子屋さんをルーツに持つお店なのか、そしてどんなお菓子を供しているお店なのかが想像つくだろう。京菓子司とは、“みやこ”の和菓子を作る店舗であることを宣言している。
亀広良は、昭和29年(1954年)に創業。初代は、名古屋市中区の亀末廣(現在は閉店)で長く修行をした職人で、暖簾分けされて名古屋城の北側に店を構えたのである。そもそも亀末廣は、京都で今も銘店と崇められる亀末廣から名を許された和菓子店。京菓子にルーツを持つ亀広良もその誇りを持ち続けているのである。亀広良は現在2代目と3代目が暖簾を継ぎ、挑戦的に新商品を発表して、銘菓をどんどん増やしている。
亀末廣から受け継いだ銘菓である、「茶三昧」や冬の「うすらひ」が有名。このほか、カラフルな干菓子として人気の高い「華氷」、クリスマスシーズンには注文が殺到する「和菓子屋さんのシュトーレン」などが知られている。
そして、名古屋商工会議所が開催した“あたらしい名古屋の手土産コンテスト”にて見事に選出された「いちまいのみず」は、愛知県設楽町の関谷醸造の日本酒を用いた琥珀糖で、名古屋城のお堀に張る薄氷をイメージしたもの。名古屋の和菓子土産としてすっかり定着したと言っても過言ではないだろう。
茶席で使われる生菓子や干菓子を中心に、京菓子の伝統を守りつつも、自由な発想で時代に合ったお菓子を作り続けている亀広良。次の季節にはどんな新商品が登場するのか、心待ちにしている顧客も多いだろう。
住所:名古屋市西区上名古屋1-9-26
TEL:052-531-3494
営業時間:9:30〜18:00
定休日:火曜日、水曜日
URL:https://www.kamehiroyoshi.com/
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名城公園は、名古屋城を中心とした総合公園で、緑豊かな樹木や季節ごとの花々が楽しめる市民憩いの場所だ。せせらぎが流れる「芝生広場」、江戸時代の名残が見られる「おふけ池」、名古屋市内の藤の名所にもなっている「藤の回廊」などがある。野球場やテニスコートなどの施設もあることから、スポーツ愛好者にも人気の公園だ。
亀広良からは歩いて5分程度。子どもの頃からの遊び場だったという3代目・三谷謙一さんは、「このあたりの小学生はみんな写生大会といえば名城公園でした。毎年、名古屋城を写生で描いていた記憶があって、子どもながらに、また名古屋城を描くの?なんて言っていましたね」と懐かしそうに話す。三谷さんはオランダ風車のある広場が好きで、自転車で走り回って遊んだほか、魚釣りをしたり、おふけ池に落っこちて泣いて帰ったり‥‥。いろいろな思い出が詰まった場所なのだとか。
南北に走る大津通りを栄からまっすぐに北に向かえば、すぐに名城公園が見えてくるので、栄や伏見あたりからレンタサイクルでサイクリングするにはちょうど良い距離感。亀広良で和菓子を買ったら、くずれないように慎重に持ち帰りつつ、名城公園で和菓子ピクニックをしたり、お散歩して名古屋城を眺めたり。いろいろな楽しみ方ができる公園である。