観光客

松河屋老舗

松河屋老舗店舗

歴史と伝統があるからこその、
和菓子のチャレンジスピリット

松河屋老舗(まつかわやろうほ)の創業は文久2年(1862年)。日本は、徳川家茂と和宮親子内親王の婚儀がおこなわれた江戸時代末期。松河屋老舗は、もともと岐阜にあり、清洲越で尾張名古屋にやってきた。ところが創業からの史料がすべて戦火で焼失しており、詳細が記されたものは残っていない。代々の言い伝えとしては、馬飼いの商いをしており、東海道筋の道ばたで馬を借りに来た人に向けて、団子などを売ることをはじめたのが、和菓子屋としてのルーツではないかと言われているそうだ。八事のあたりで和菓子屋ののれんを出していたが、現社長の祖父の時代に八事から栄へと店舗を移転して法人化を果たした。

「和菓子は日本人の生活に密着したものである」という考えのもと、季節ごとの上生菓子をはじめ、日持ちのするお土産品、焼き菓子や洋菓子のエッセンスを加えたお菓子など、実に幅広い商品で、名古屋人の和菓子愛に応えてくれている。本店のある栄に加え、100坪超の大型和菓子店を名古屋市郊外の清須市春日町にはオープンしている。そこはまるで和菓子のワンダーランドのごとく、小さなお子様から和菓子好きの大人までが楽しめる空間となっている。

面白いアイデアが湧くとすぐにその商品化に取り組み、新商品を次々に生み出す企業体質は、長い歴史が育んだチャレンジ精神なのかもしれない。松河屋の直営店では、一年に4回ほど開催される“感謝祭”では、そんなチャレンジが生み出した新商品が並ぶので、ぜひチェックして出かけてみたい。

武士

季節のお菓子

  • 春の宴
  • フルーツ水衣(みずごろも)
  • 軒のすずめ
  • 西尾の抹茶ロール
  • 春の宴

    お花見の団子が進化した!そんなイメージの和菓子が春になると登場する。3色の時雨まんじゅうである。桜色の皮は中身が白餡、白色の皮は紅餡、緑色の皮はつぶ餡になっている。

    いかにも春らしいパステルカラーの和菓子なので、お客様にお出しするお茶菓子としてはもちろん、お花見や行楽にもぴったり。2週間だけの販売なので要チェック!

  • フルーツ水衣みずごろも

    すずやかで清涼感のあるお菓子は見ているだけでもさわやかな気分になる。真夏の暑いシーズンに販売されるこのお菓子は、ぶどう、ピンクグレープフルーツなどの果物を使ったカラフルな餡を、千筋模様(せんすじもよう)の入った寒天のシートで巻いたもの。

    菓お盆フェア限定での販売のため、こちらも数量と期間が限られているので、インスタグラムなどでチェックしよう。

  • 軒のすずめ

    秋といえば栗菓子。こちらは栗の蜜煮をまるごと1個小豆餡で包み、大麦を煎った麦こがしの生地でさらに包んで焼き上げたもの。

    麦の独特の風味と、栗のほっくりした甘味のバランスが人気で、毎年秋口になると常連のお客様から問い合わせが入るという。稲穂垂れる黄金色の田園をすずめが遊ぶ様をイメージして命名されたという。

  • 西尾の抹茶ロール

    年末年始には大感謝祭と称して、特別なお菓子を販売するのが松河屋老舗のスタイル。お正月らしい生菓子をはじめ、この西尾の抹茶ロールのような洋菓子まで幅広く用意されている。

    愛知県西尾市産の抹茶をたっぷりと使って焼いた生地で、ふっくらと炊いた黒豆と生クリームをふんわりと巻きあげている。和菓子と洋菓子がコラボレーションした味わい。


松河屋老舗

住所:名古屋市中区栄4-9-27
TEL:052-262-0201
営業時間:9:00〜17:00
定休日:日曜日
URL:https://www.matsukawaya.jp/
SNS:


周辺情報

周辺情報

都会の真ん中の栄公園で、空を眺めるということ

松河屋老舗から栄方面に歩いて10分ほどのところに、『栄公園』がある。愛知芸術文化センターのすぐ東側で、錦通りに面しているので、前を通りかかったことがあるという人も多いだろう。L字型の敷地で、東桜小学校の横の通路は北側に抜けることもできる。桜並木がとてもきれいな場所として、周辺の住民にはよく知られた空間である。

また特徴的なのは、公園の真ん中にある噴水とその周りのベンチ。女性像の彫刻作品がベンチに飾られているので、その隣に座ると、彫刻像とともに憩いの時を過ごしているようにも見えるのだ。桜が咲く季節、新緑がきれいな瞬間、また青葉が茂る夏、紅葉が見事な秋、時には雪景色まで、いろいろな表情を見せてくれる公園なのである。また真北に小学校があるため、日中は子供達の賑やかな声が聞こえてくるのものどかな風景である。

松河屋老舗で季節の和菓子を買った後は、自転車で、あるいはのんびり歩いて栄公園まで移動し、栄公園のベンチで和菓子を頬張りながら、空を眺めてみてほしい。都会の真ん中ではあるが、栄公園から見る空は思ったよりも広く高いことに、きっと驚くはずだ。空はいつも青空とは限らないが、雲は季節ごとに表情を変えるし、太陽は時間によって眩しく、時には感傷的に見えることもあるだろう。和菓子は、そんなのんびりした時間の過ごし方がよく似合う。

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